一般的なオフショア開発モデルの紹介

オフショア開発を行うにあたって自社で現地企業を立ち上げる場合、膨大な工数と手間、コストが発生します。
これに対してラボ型オフショア開発サービスを利用した場合ならエンジニアを採用すれば開発がスタートできますが、自社運営の場合には、総務担当、採用担当など企業運営のための間接部門が必要です。
また、現地起業の場合には一定期間、日本側スタッフの常駐が必要となります。
オフショア開発サービスを利用して開発する場合に主に以下の3つのパターンがあります。
オフショア開発ではシステム開発を委託する際に日本語が話せるエンジニアとのコミュニケーションが重要となります。日本語が話せるエンジニアの事をブリッジSEと呼びますが、近年ではZoom等のオンラインツールが広まっていますのでベトナムと日本のオンラインミーティングでブリッジSEとやり取りをするケースが増えています。

クライアント直結型

ラボサービスチーム側には一般的な開発チーム(PM/PL・PG)がいますがオフショア開発の特徴としてベトナムと日本を繋ぐブリッジSEが居ます。
ブリッジSEはベトナムに居る場合と日本に居てクライアントに訪問しながら開発する場合がありますがいずれも日本側の要望をベトナムの開発チームに翻訳してチームの運営をします。

パートナーブリッジ型

最終クライアントが発注したシステム開発をシステム開発会社やフリーランスエンジニアが日本人ブリッジSEとしてべトナムのラボ型オフショア開発サービスを利用するパターンです。

事業部直結型

システム開発の上流工程である要件定義の一部と設計の段階からベトナムチームに委託する方式です。一般の事業部からの要望をビジネスを理解したベトナム人ブリッジSEが把握して開発を進めていきます。

オフショア開発での
コミュニケーションコストについて

オフショア開発におけるコミュニケーションコストは、異なる国や地域にいるチーム間での情報伝達に伴う時間的・資金的な負担や効率の低下を指します。オフショア開発では、開発コストを削減したり、24時間体制でプロジェクトを進行できるなどのメリットがある一方で、コミュニケーションが円滑に進まないことで生じるコストが発生することがあります。主なコミュニケーションコストの要因は以下の通りです。

言語の壁
オフショア開発では、母国語が異なるため、日本語が話せるベトナム人の翻訳が必要となります。これにより、言語の微妙なニュアンスが伝わりにくくなったり、誤解が生じやすくなります。また、コミュニケーションスピードも遅くなることがあります。 特に、技術的な問題や仕様の議論では、言語の違いが正確な理解を妨げる要因となり、再説明や確認作業が増えることもあります。
時差の影響
オフショア開発のチームがいる国によっては、時差が大きく、リアルタイムでのコミュニケーションが難しい場合があります。これにより、質問への回答やフィードバックが遅れ、プロジェクトの進行が遅延することがよくあります。 ベトナムと日本の時差は2時間ですので比較的ミーティングやトラブルへの対応もしやすくなっています。
文化的な違い
各国の文化 的背景により、コミュニケーションスタイルが異なる場合があります。例えば、日本では暗黙の了解が多く、はっきりと物事を言わない傾向がある一方で、欧米では直接的な表現が好まれます。こうした文化的な違いにより、意思疎通がスムーズに行かないことが考えられます。 また、報告の頻度やプロジェクト管理のスタイルにも文化的な違いが現れることがあります。
技術的なコミュニケーションの難しさ
複雑な技術的課題や要件をリモートで正確に伝えることは、通常の対面コミュニケーションに比べて難しく、説明が不十分だと誤解やミスが生じる可能性があります。特に、仕様の解釈に差が生じると、開発の方向性がズレてしまうことがあります。
ツールの使用と適応
オフショア開発では、コミュニケーションをスムーズにするためにさまざまなオンラインツールが活用されます。例えば、チャットツール、プロジェクト管理ツール、ビデオ会議システムなどが挙げられます。しかし、ツールの使い方や慣れの違い、インターネット環境の差によって、コミュニケーションに支障が出ることもあります。
フォローアップや確認作業の増加
オフショア開発では、離れた場所にいるチームと連携するため、進捗確認やタスクの進行具合のフォローアップが頻繁に必要となります。これにより、管理者やリーダーがコミュニケーションに多くの時間を割かざるを得なくなり、結果的にコストが増大します。

コミュニケーションコストの削減方法

クリアなドキュメント作成
要件や仕様を明確にし、ドキュメント化することで誤解を防ぎます。
定期的なミーティングの設定
時差を考慮した適切な時間で、定期的なビデオ会議を行い、リアルタイムの情報共有を行います。
共通のプロジェクト管理ツールの利用
進捗状況や課題を誰でも把握できるよう、ツールを効果的に活用します。
文化の違いを理解する
相手国の文化を理解し、それに応じたコミュニケーションスタイルを取り入れることで、相互理解を深めます。


オフショア開発の成功には、こうしたコミュニケーションコストをいかに効率よく管理し、削減していくかが非常に重要です。