オフショア開発では海外開発チームと日本クライアントの間を繋ぐ重要な役割「ブリッジSE」という役割があります。ブリッジSEの仕事の内容は以下の様になります。
- ・日本側プロダクトマネージャー(PM)⇔ベトナムチーム(主にPL)との通訳。
- ・日本語翻訳作業(仕様書・設計書・デザイン・進捗報告書・VN側見積書)⇒VN開発チームへ展開。
- ・オンライン会議で開発にあたって発生する質問やフィードバックの翻訳。定例会議のスケジュール調整や議案作成と議事録の保持、会議の進行役。
- ・テスターとしてプロジェクトの品質をチェックし、フィードバック。
- ・顧客の求める要望や顧客の業界知識を予習する。また、VN開発者側からの提案をかみ砕いて説明。
- ・要件定義や外部設計にしたがって内部設計、プログラム構造の設計、プログラム機能仕様の作成、モジュールの定義、テスト方針書の作成。
- ・モジュール仕様作成、コーディング、単体テスト。
- ・プロジェクトにおけるタスクの作成と管理。
ブリッジSEのデメリット
このようにオフショア開発に欠かせない人材であるブリッジSEですが、いくつかの注意点があります。
それは、開発指示の橋渡しをする上に技術的な内容も把握していることからブリッジSEへの作業負荷が高まりすぎる事と、開発内容がブリッジSEにブラックボックス化してしまう懸念です。
ブラックボックス化してしまうと、もしそのブリッジSEが退職でもしてしまった場合のリカバリーにかなりの時間と工数を要してしまいます。
ブリッジSEリスクの対策
リバークレインでは自社サービスの開発にブリッジSEを使っていません。
先ほど触れたブラックボックスリスクの回避も含め時間をかけてチームビルディングをしていった結果、業務を理解したITコミュニケーターをブリッジプロジェクトコーディネーター(BPC)としてプロジェクトリーダー(PL)を組み合わせることにより情報を共有し、BPCもしくはPLが退職した場合のブラックボックス化を防ぐようにしています。
この場合のメリットは役割を分担する事によるそれぞれの仕事品質の向上、チームビルディング力の強化が挙げられます。
また、ブリッジSEの育成は難しく採用も厳しいですが、ITコミュニケーターは人材が豊富です。
ITに関する教育を施すことでビジネスを理解し、日本側の開発目的や目標を理解させていく事により開発チーム全体がモチベーションを高く持って開発に取り組むことができます。
弊社リバークレインの事例となりますが、本来であれば日本側のSEが要件定義や外部設計をしたうえでベトナム側に開発指示をするのが一般的です。これがお互いを理解した開発チームに成長すると要件定義から参加し、外部設計も含めたほぼすべての開発フェーズをベトナム側で行う事が出来ます。
日本人SEを張り付かせることなく、事業部単位でベトナム開発チームと要件定義をして開発を任せることができるようになれば管理コストは大幅に低減し、開発リソースの潤沢なベトナム人エンジニアを必要なだけ採用していく事が可能です。