乗るより整備する方が好きだと思われています

コンニチワ!社内では乗るより整備する方が好きだと思われている気配があるメディア事業部 チーフエディターの門脇 誠です。(この記事執筆後に部署移動し、現在はお客様からの問合せにお答えするカスタマーサービス部門です!)

もちろん、というと語弊がありますが『バイクに乗る事』は大好きです。
恐らく社内で最も長い通勤距離(片道45km)をバイク通勤しているのですが、リバークレインは完全週休2日制なので1日90kmx週5日で450km、これを雨の日も風の日も毎日欠かさず大喜びで乗っているのですから乗るのが好きに決まってます。
もはや『通勤が趣味』と言っても差し支えありません。

しかし、社内で誤解を受けるのも当然と言えるほど整備が好きなのも事実で、ヒマさえあれば、いやヒマが無くとも愛車の整備に勤しんでいます。
週末にツーリングに行かない事は多々ありますが、愛車の整備をしていないなんて事は有り得ないので、そういった行動が「整備する方が好き」という誤解を生むのでしょう。
でも違うんです、機械的な不安を排除して安全に楽しく乗りたいから整備しているだけなのです。

などと言い訳するまでもなく、前回も書いたように整備は大好きです。
何でも自分で作業してきたおかげで『Webike+(ウェビック プラス)』でマニアックな記事を執筆する役に立っているのですから、趣味が仕事に役立ってしまった典型ですね。

 

趣味は通勤 バイクに乗っていれば幸せなので、片道45kmの長距離通勤も全く苦ではありません

趣味は通勤
バイクに乗っていれば幸せなので、片道45kmの長距離通勤も全く苦ではありません

 

週末はだいたい何かを整備しています どうせなら安全に楽しく通勤したいですからね

週末はだいたい何かを整備しています
どうせなら安全に楽しく通勤したいですからね

整備とは言っても・・・

社内は重度のバイク好きだらけなので、業務時間後は社員ガレージで各自が愛車の整備を行っています。
バイク好きな社員のために貴重なフロア面積を使って整備環境を用意してくれるなんて・・・、リバークレインではとてもありふれた光景ですが、そんな会社は滅多にないはず!
ありがたい事です。

そんな社員ガレージで日々繰り返されている整備と言えば、オイル交換やタイヤ交換といった消耗品の交換やワイヤー類への注油といった通常整備がメイン。
廃油処理などに気を使わなくて済むので、いつも誰かがオイル交換しているようなイメージすらあります。

それ以外では購入したカスタムパーツの取り付けも良く見る光景です。
Webikeで扱っているパーツの中から各自が気に入った商品を自費で購入して自分で装着するパターンですね。
大多数のバイクユーザーと全く同じ!

しかし私の場合は少々特殊で、カスタムパーツを「装着」する事はほぼありません。
うーん・・・Webikeを運営している社員にあるまじき行動ですね。

私はパーツの装着ではなく「取り外し」がカスタムの基本で、取り外しただけでは保安基準に違反したり不具合が出るのを何とかするのがカスタム作業になります。
一見するとノーマルだけど実は・・・というのが好みなのです。

同好の士であれば既知のとおり、これは派手なパーツを装着するカスタムより難度が高いです。
よーく考えないと重要な機能を失いかねないので難しい!
まぁそこを考えるのが楽しいのですけどね。

 

バイクリフター2台、タイヤチェンジャー、チェーンブロック、大型コンプレッサーまで完備している社員ガレージ スペースも広いし普通の整備ならだいたい何でもできます カスタムパーツ装着も余裕だし、わからない事は元ディーラー整備士のパイセンに聞けば何でも教えてもらえるので安心

バイクリフター2台、タイヤチェンジャー、チェーンブロック、大型コンプレッサーまで完備している社員ガレージ
スペースも広いし普通の整備ならだいたい何でもできます
カスタムパーツ装着も余裕だし、わからない事は元ディーラー整備士のパイセンに聞けば何でも教えてもらえるので安心

 

派手なカスタムパーツを装着するのは趣味ではないので、社外品のスプロケットに交換するとしてもこの地味さ これでもサンスターとアファム製なんですけどね

派手なカスタムパーツを装着するのは趣味ではないので、社外品のスプロケットに交換するとしてもこの地味さ
これでもサンスターとアファム製なんですけどね

レストア用のベース車両を購入してしまった

そんな私ですが、最近30年落ちの汚いDUCATI 900SLを購入してしまいました。
人生の大きなターニングポイントとなった車両なので、青春の日々よ再び!というワケです。

その車両は表から見た際の見栄えは年式相応で、普通に疲れた感じのする単なる中古車。
古い車体なので細かい問題はあるかもしれませんが、大問題は無さそうに見えます。

でもちょっとカウルの中を覗くとちょっと様子があやしくなって来ます。

ある程度は解っていて購入したのですが、表から見えない部分がとにかく汚い!
各部から漏れたオイルにゴミが付着している他、湿度の高い場所に保管してあったのか金属パーツは鉄もアルミも豪快にサビていました。

でもまぁここまでは予想通り!
なにしろ古い車両ですし、そのくらいの不具合があっても不思議ではありません。

 

購入直後の車体はこんな感じ パッと見た感じはキレイな車体ですよね!

購入直後の車体はこんな感じ
パッと見た感じはキレイな車体ですよね!

 

エンジン全面がベットリ濡れるほどの激しいオイル漏れ

エンジン全面がベットリ濡れるほどの激しいオイル漏れ

 

フレームもエンジンもボルトもサビだらけ

フレームもエンジンもボルトもサビだらけ

調べれば調べるほど大問題が発見される

整備も好きですが乗るもの大好き、そして乗るからにはきちんと整備された状態の車両で気持ちよく走りたい。
だから購入を決意した時から「乗り出す前に一度全部分解して状況を確認し、キッチリと整備してから乗ろう」と決めていました。

そういう訳なので、持ち帰った車両を意気揚々と分解に取り掛かったのですが・・・パーツを外す度に驚きの整備履歴が明らかになって行きました。
表面的には普通の中古車に見えましたが、見えなかった部分はとんでもない惨状です。

 

ネジ山が完全に破壊されていたり・・・

ネジ山が完全に破壊されていたり・・・

 

接触してはいけない部分が接触してガタガタになっていたり・・・

接触してはいけない部分が接触してガタガタになっていたり・・・

 

衝撃吸収ダンパーが千切れていたり・・・

衝撃吸収ダンパーが千切れていたり・・・

 

オプションで追加されている大事なパーツが全く作動しなかったり・・・

オプションで追加されている大事なパーツが全く作動しなかったり・・・

だが直す!

当初考えていたレストア作業である「サビとの戦い」は作業の序の口である事が判明しました。
抜本的に全部やり直さないと危なくて乗れたシロモノではないです。

でも考えたのです、この個体が今まで受けて来たとんでもない整備の履歴は、その時々の止むに止まれぬ事情があってそうなったのだろうと。
それは明日どうしてもツーリングに行かねばならないから応急処置して欲しいと頼まれたとか、完全修復するためのお金が無いので何とかして欲しいと頼まれたとか、その時の当事者だけの事情があったのでしょう。

それを後になって部外者が見て「ヒドイ」と文句ばかり言うだけなのはいかがなものかと考え直しました。

30年もあればいろんな事があったはずです。
そういった過去の事情を踏まえた上で、30年分の過去の過ちをリセットするのが自分の役目なのだ!そう思う事にしました。

 

最初から全部やり直しましょうね~

最初から全部やり直しましょうね~

後から直すのは大変、だからこそ日々の細かい作業をしっかりと!

この車両を見ていると、30年間に起こったであろう様々なドラマを想像させてくれます。
その時、その瞬間、様々な事情でベストな対処でないと知りつつも、とにかく何とかして走らせねばならない・・・。

こういう事態はレースの現場などでも良く起こります。
走らせる事が最優先で、その場が耐えられるならどんな手段でも構わない!という場面です。

あぁ、なにか既視感があると思ったら仕事でもそんな時がありますよね。
ちょっと遠い目で昔を思い出しつつ、冷や汗が噴出してしまいます。

それらの不完全で間違った作業を全部リセットし、完全に良い状態に戻すには大変な労力が必要になります。
レストアは単なる趣味なので時間を止めてじっくり作業する事ができますが、仕事では業務を止めて修正する事はできませんから更に大変です。

逆に言えば、日々の業務で場当たり的な仕事をしていてはいけない、そういう仕事をしていると積もり積もって修復不可能な大変な事態になるという事です。

事情があって理想的でない事をしたなら、早い段階でもう一度やり直して理想状態にしておかないと・・・。
趣味でやっているレストアからそんな事に想いを巡らせ、日々の仕事をしっかりやり抜こうと思えるなんて、やはりバイク趣味は最高ですね!(やや強引)

 

こんな単純な部分でさえ、積もり積もった『その場しのぎの歴史』をリセットするのは大変!

こんな単純な部分でさえ、積もり積もった『その場しのぎの歴史』をリセットするのは大変!

 

見えない部分も手を抜かず、常に出来るだけ最良の状態を目指す!その心意気が大事 「とりあえず」「まぁいいか」の繰り返しを後から取り戻すのは大変だという事を、バイクのレストアは教えてくれます

見えない部分も手を抜かず、常に出来るだけ最良の状態を目指す!その心意気が大事
「とりあえず」「まぁいいか」の繰り返しを後から取り戻すのは大変だという事を、バイクのレストアは教えてくれます