ここ3年くらい?コツコツ進めていた趣味の作業

バイクショップ様向けの法人営業チームに在籍しているカイです。
前回、前々回と日頃の業務の一部を切り出した記事を書きましたので、今回は個人的な趣味の部分を紹介したいと思います。

もうこの数年くらい仕事の合間合間に取り組んでいたのですが、社内で譲り受けたドゥカティ 900MHRのレストア作業が大体終わりました。
元々自分はカワサキの空冷四発 Z系を中心に、自分で足回りの整備からキャブレターの調整、エンジンを組み上げたりといったことまで行うタイプで、バイクに乗ってるよりも整備やレストア作業の方が好きかもしれません。

国産車であればこれまでの経験値でこなせる部分が多いのでラクなのですが、いかんせん今回チャレンジしていた車両は外車の旧車。しかも前オーナー以前にかなりハードにカスタムが行われていたため、サービスマニュアルのほとんどの項目がアテにならなかったり、もちろん、今はもう入手不可能な部品などもたくさん。車両が違えばノウハウが全然異なるのは当たり前で、今回ドゥカティに触れるのが初めての自分にはかなり大変でした。
仕事柄、数日間の出張に出ることも少くないため、中々コンスタントに継続して作業も出来ず、工期もすっかり伸び伸びに。。

今回の作業で印象に残ったポイント

多分20年くらいは?動いていない車両だったので、いろんな箇所に時間の経過を感じさせる不具合が出ていました。雑誌やWebメディアでレストアの記事なんかを読まれる方には面白いかもしれませんが、そういうのに興味がない人にはもはや単なる悲惨な写真集。

年数経過でタイヤやゴム部品の劣化や硬化なんかは当たり前ですが、リアショックのバンプラバーが触ると崩壊するくらいにグズグズになっていたり(もはや部品の写真だと思えない)。

ブレーキフルードが入ったままだったので、ホースの内部で石のように結晶化していて詰まりを起こし、フルードが継ぎ足せなくなっていたり。

古いマグネシウムホイールには、ベアリングのハマる箇所がこれも経年劣化なのか?強烈にクラックが入っていたり。(危険過ぎて笑いました)

ピックアップコイルの配線は熱とオイル?で劣化して銅線が剥き出しだったり断裂していたり。こんなもん、当然ショートしまくりです。

全体にこの他にも、電装系を中心に純正部品やアフターパーツが手軽に入手できないような箇所での劣化が少くなく、かなり頭を悩ませました。
もはやウェビックで検索しても全く手に入らないようなアイテムが多いこと、多いこと。。下手をすると、一度分解したらもう当面元には戻せなくなるような箇所も。

リアショックなどはウェビックで社外のサスペンションを新たに購入して交換しましたが、それでも専用品はほとんど存在しなかったため、車重や全長の近いものを購入した上で取り付けにはカラーを制作したりなどして、手を加える必要がありました。比較的新品で手に入るようなものも、基本は何かしら工夫して利用するという感じです。

レストア作業完了に至る鍵

結局入手から3年弱かかって、ちょうどごく最近車検の取得が完了しているのですが、今回のレストア作業ははっきり言って自分ひとりだと全然完了できませんでした。


部品の入手が非常に厳しく、そこに時間がかかるというのも一つの要因なのですが、主な原因はすでに改造されてしまっている箇所を読み解きながら、更に古いドゥカティ固有の専門的なノウハウが必要な箇所が多かったため。エンジンそのものは特に手を付けなくても問題なさそうな状態だったため、当初甘く見積もっていましたが、やり始めるとまぁとにかく作業が進まない。

当初、遅々として進まないこの900MHRのレストア作業でしたが、無事完了となったのは日頃の業務でお付き合いのあったバイクショップさん達の中に、こうした古いドゥカティの専門家のようなお店さんが何社かいらっしゃったことが何よりも大きかったです。

もちろん、始めは会社の仕事でのやり取りが最初だったのですが、そこはやっぱり仕事が違えど、お互いバイクが好きでバイクの仕事に従事している者同士?
仕事の話もソコソコに、「ちょうどレストアでこんなバイクに取り組んでるんです~」なんていう雑談の流れから色んな事を教えていただいたりしていました。

凄くたくさん貴重なアドバイスが頂けたので、おかげで自分一人では不明点が多すぎて作業が進んでいなかった部分が少しずつ進むように。
また、もはやスペアパーツの入手がとても難しいような箇所では所有されている部品を分けて頂くことや、部分的なリビルド作業を依頼させて頂いたりと、会社の仕事の枠を超えて個人的にもかかりつけのバイクショップさんとしてお付き合いをさせて頂くことが出来たのはとてもありがたかったです。

エンドユーザー個人の立場だと単なる珍しい古いバイクですが、さすがその道のプロフェッショナルはそんな希少車種を常日頃メンテナンスされるのがお仕事なだけに、そうしたプロとお付き合いをするのは今のウェビックに勤める自分にとっては公私ともに凄く重要だなと再認識しました。

特に、仕事でバイクショップさんに対して色々なソリューションを提供する立場の部門にいるだけに、ショップさんとのコミュニケーションはどんな形であれ取れるだけ取るにこしたことはありません。
自分の実例を挙げると、カワサキのZ系に強いショップさんには自分も元々カワサキZに乗っていることもあって話が弾みますし、他の営業メンバーについてもオフロードが得意なメンバーはやはりオフロードに力を入れているショップさんとは親しくなって良い関係を築けているといったケースが多いです。

「好き」を仕事にするだけでなく、同じ「好き」の分野で働くプロのショップさんと仕事が出来るというのも、この部門ならではの仕事の醍醐味の一つかなと改めて感じたレストア作業だったと思います。ウェビックで仕事をしていると、所有しているバイクの縁で色々なお取引や関係が始まったり深まったりというのが珍しくないですが、このドゥカティも良い御縁をもたらしてくれました。これも、好きこそものの上手なれ、の形の一つですかね。