バイク用品のネット販売を手がけるリバークレインは、自社スタッフのバイクと関連した様々な活動をサポートすることで、社員のモチベーション向上を図っている。
同社では、自社通販サイトの「ウェビック」内で取り扱っている商品の購入補助や、ビジネスに関する書籍類の購入補助(毎月5000円)、社員旅行の旅費50%補助、部門内懇親会で発生した費用の補助、会社でミニバイクサーキット場を借りての運動会など様々な福利厚生制度を完備している。しかし、バイクの関連用品を扱っている会社のスタッフとして「普段からも自分たちでバイクを楽しむ」という考えを重要視しており、プライベートでのバイク活動を支援することにも力を入れている。
今年春からの福利厚生の一環として実施しているのが「二輪免許取得祝い金」制度。在籍するスタッフの大半がすでにバイク免許を保有しているが、エンジニアやWebデザイン、総務・経理などの管理部門では保有していないスタッフも何人かいるという。「『バイク好き』ということではなく、当社のビジネスモデル自体に興味を持って入社した人もいる。入ってこの業務を続ける内に好きになる場合も多い」と説明する。
バイクの免許取得に当たっては十数万円以上の費用がかかり、取得後にバイク本体、ヘルメットなどを購入すると総額で数十万円の出費となる。せっかくバイクに興味を持っても、金銭的にハードルが高い内容であるため免許取得を諦める場合もあるが、会社がその負担を一部サポートすることで”バイク入門者”のスタッフの背中を後押ししているのだ。 今年はすでに3人が同制度を利用。対象となるのはバイク免許を持っていない場合だけでなく、中型バイク免許保有者が大型バイク免許を取得する際にも適用されるなど、幅広く対応している。
スタッフのバイク免許取得は同社の営業側面にも関わってくる。バイクメーカーなどの取引先にとっては、相手がバイクに乗っているかどうかというのはかなり重要で、「ネットの会社の場合は顔が見えづらいので、”バイク乗り”の社員がこのサイトを運営していると分かることで信用面からも大きなプラスとなる」(同)という。
ツーリング、レース出場を支援
そのほかにも、休日にツーリングを行う際は、スタッフ3人以上で1人月1回2000円を支給している。今後、利用者は同社サイトの社内活動報告ページや「ウェビック」のスタッフページなどにツーリングの内容を写真入で紹介することも計画。「サイトのランキングを見てもスタッフページへのアクセス数は非常に高い。いかにユーザーが興味を持っている項目かが分かる」とし、1つのコミュニケーションツールとして活用することも考えている。
また、今年秋をめどに新たな制度として草レースなどバイクの大会にエントリーする際は、会社でその費用を一部補助することも予定。利用条件としては、会社の宣伝につながるように「ウェビック」ロゴの入ったのぼりや同社のトランスポーター(バイク車両を載せて運ぶ車)などを使用することを考えている。
「プラスアルファとして会社の宣伝につながればいいということもあるが、根本としてはレースを通じてより深くバイクを楽しんでもらうことが大事」とした。
出典:月間ネット通販 2012 vol.13 No.8
EC各社の従業員のモチベーションアップ策 事例5 リバークレイン