2023年10月、インドネシア・タンゲランで行われたインドネシアモーターサイクルショー通称IMOSに行ってきました。

IMOSとは

AISI(インドネシア二輪車工業会)が主催する、インドネシアにおける2輪車の展示会で、毎年開催されています。
今回のIMOS+では、趣味性の高い大型バイク、日常利用がメインの小排気量スクーター、電動バイク、2輪関連部用品メーカーやサプライヤーの大きく分けて4つのカテゴリの展示がありました。

以下、開催概要です。
日時:2023年10月25日-29日
場所:ICE - BSD City

インドネシアではIIMS(インドネシア国際モーターショー)や、GIIAS(ガイキンド国際モーターショー)など、4輪中心のモーターショーがありますが、そこでの2輪関連の展示は小規模であるため、IMOSは2輪に特化した数少ない展示会です。
今回は、出張を機に、初めて訪問してきました。

2輪メインとはいえ小規模

年間約600万台の2輪車販売台数を誇る2輪大国インドネシアのモーターサイクルショーということで、大きな期待を胸に参りましたが、東京モーターサイクルショーや、タイ・バンコクのMotor Expoなどと比較をするとだいぶこじんまりした展示スペースでした。
車両メーカーとしては、
・Honda
・Yamaha
・Suzuki
・Royal Enfield
を筆頭に、他は国産のインドネシアメーカーや中国メーカーの電動バイクが占めていました。
IIMSやGIIASはどちらかというと車両の即売会のような側面が強く、他にも多くの車両メーカーの出展がありましたが、IMOS+は新型モデルの発表や展示が中心、どちらかというと業界関係者向けのような印象でした。
パーツや用品メーカー・サプライヤーの展示は少なく、コロナ以前に訪れた別のモーターショーと比べても縮小しているように感じました。
これは、各車両メーカーやパーツメーカー、サプライヤーが、リアルな場での展示よりも、ソーシャルメディアプラットフォームのようなオンラインチャンネルを使った製品紹介にシフトしてきているようにも感じました。

押し寄せる電動バイクの波

インドネシアは政府をあげて電動2輪の普及を進めています。
電動バイクへの購入補助金や、税制での優遇、ガソリン車を電動化する費用補助など、様々な支援をしています。
日本メーカーとしては、HondaのEM1 e:やYamahaのE01 / NEOがあり、インドネシア国産の家電メーカーPOLYTRONや、シンガポール系電動バイクメーカーのionなど、ガソリン車よりも多くのメーカーが参入してきています。
街中でも、Grabやgojekのようなライドシェアでは、電動バイクの採用が明らかに増えてきており、官民一体となって、電動化を進めているのを肌で感じました。

モーターサイクルショーはその国の2輪文化を表すもの

電動化が進むインドネシアの2輪市場ですが、とはいえ、趣味性の高いガソリンエンジン車、特に大型バイクはまだまだ人気です。
各メーカー、カスタム車両も展示しており、日本やタイでのカスタム車両とはまた違う雰囲気を持っています。パーツを変え、自分好みの1台に仕上げていく、これはまだガソリン車が強い領域で、各社、電動バイクとは違ったバイクの楽しみ方を提案していました。
2輪の展示会は、その国の2輪の文化や変遷、将来を色濃く反映しているものだと思います。実際にそれを目の当たりに、肌で感じることのできる機会は非常に貴重なので、また機会があればぜひ参加したいと思います。